岡山大学 理学部 化学科 界面科学研究施設 エネルギー環境新素材拠点

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H12-H26
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研究内容 2009~2011

1.芳香族炭化水素 Picene を活性層とした有機薄膜トランジスタ  

 Piceneとは、ベンゼンリングが5つジグザグにつながった構造をした炭化水素で、私たちの研究室では、このPiceneを活性層とした有機薄膜電界効果トランジスタ(OFET)の研究を2008年から行ってきました。
 
PiceneFETは、p-Channel型の有機薄膜FETとして非常に高い移動度(~5.0 cm2 V-1 s-1)が得られており、優れた酸素応答性を示すため酸素センサーとしての実用化に向けて研究も進められています。
 以下は、PiceneFETのデバイス構造と、主なFET特性である出力特性(output curve)と伝達特性(transfer curve)のグラフです。



2. PiceneFETの低電圧化
 しかしながら、このPiceneFETのしきい電圧は60V以上であり、FET動作をさせるためには高電圧を印加させる必要がありました。高電圧印加は酸素センサーの実用化に向けても大きな障害であるため、優れたFETパフォーマンスを維持したままで低電圧駆動できるPiceneFETの研究が行われました。
 低電圧化の手段としてはいくつかありますが、現在では、PiceneFETは、わずか数Vで動作できるまでになりました。今後はさらなる高性能化の研究すすめることと、Piceneを1次元・2次元的に拡張した分子を活性層とする新しいOFETの研究を行っています。
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